最高収量を目指すために
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  ■新栄養週期栽培法

1)はじめに
2)栄養週期栽培法
3)栄週の再現性
4)問題点(苦土
5)問題点(土壌)
6)問題点(尿素)
7)新栄週の命名根拠

新栄週の理論体系
1)ソースシンク理論
2)人間と作物
3)人間と作物2
4)栄養と分化生長

  6、栄養週期栽培法の問題点(尿素と硫安)

窒素の施肥は、農業者の恒久的に問題となるところですが、昨今の有機栽培家では窒素を抑えることが、病害抑制のみでなく大事な食味を良くするということで、窒素を目の敵にする側面があります。そもそも有機栽培の起こりは、土壌団粒が損なわれ生産性が著しく悪くなり、土壌消毒や農薬を使用しないと栽培できないことにあります。

その犯人は一般的に硫酸アンモニウムとされているようで、生理的酸性肥料の代表である硫安を有機物投入の少ない状況で連用することで、土壌団粒の膠着物質である腐植などが減少したためとされています。

生理的酸性肥料の硫安は、100kgの投入でPHを1程度下げることが行われ、その矯正の為に、消石灰を150kg程度投入しないと農産物の生産性が低下するため(リン酸の不溶化が著しくなる)積極的に消石灰を投入します。

そのとき、土壌環境は急激なアルカリ化のため、微生物活性が高まり(石灰窒素投入の原理)土壌中に300kg程度蓄積している微生物躯体のたんぱく質成分が、無機化され炭素有機物は、呼吸により炭酸ガスなり土壌外へ放出されます(炭酸ガスCO2になる)

有機物を投入することを行わず15年以上硫安、石灰を投入を続けることで、土壌環境は悪化しますが、適切な有機物投入(反当400kg)が行われていれば、このようなことは起こらないようで、土壌の単粒化はむしろトラクターなどで、乾燥土壌のときに耕運することにより、耐水性により団粒構造化している土壌を、乾燥状態での物理的破壊(耕運)により助長されていると思われます。

後述しますが、茨城県に限ったことか土壌を乾燥状態で耕運することの弊害を認識している農家さんは少なく、やや過剰な水分状態で耕運する”団粒耕運”の意義を重んじる農家さんは少ない様です。

脇道にそれましたが、硫安はいつの頃からか、化学農業の象徴で土壌悪化の犯人とされることで、忌み嫌われ、栄週の追肥資材が窒素で言えば硫安に限られることで、少なからず誤謬を生んでいると思われます。

生理的酸性肥料の硫安は、少量の散布でもPHを一時的に低下させ、リン酸の不溶化を招くために、将来する結果には不満足な状態が多く見受けられ、トマトの追肥においても、低PH土壌において硫安を追肥することは、過度な栄養生長に向かわせるために、生長点が旺盛になりすぎ、花芽に多くの鬼花を発生させますが、追肥資材を尿素にすることで、栄養生長を抑制できます。

逆に石灰過剰の高PH土壌においては、尿素の追肥では、生殖生長に向かいすぎるか、追肥の効果が現れにくいことがありますが、このような土壌はPHが6.2以上であることが多く、石灰の過剰吸収による生殖生長型の果実の非常に肥大しやすいが、生長点が矮小化著しい場合が多く、本年(平成24年)の猛暑におけるトマト栽培において、花とびが避けられない状態でも、硫安、硫カリの追肥で、正確に花芽を着果出来た事実があります。

硫安には、マイナスの成果を示す場合がありますが、実際の手法としてその性質を的確に利用することで初めてその資材の有効性が確度を増すこととなります。

尿素と硫安の性質は、中性肥料と酸性肥料の性質といえ、その他の肥料成分においても、その性質が栄養生長、生殖生長のバランスを支配できることとなっております。しかしながら、栄週には前述したように、尿素の使用方法の記述はなく、硫安一辺倒の使用方法を堅持しているため、低PH土壌において、満足な結果をもたらすことができずにいたと思われます。

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